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日常生活での紫外線ばく露とオゾン層について

それでは私たちは日常生活の中で、どの程度紫外線にばく露しているのでしょうか。ここでは、日常生活での紫外線ばく露について説明します。

私たちが浴びる紫外線の特徴をまとめました。

?南に行く(緯度が低くなる)ほど強い。

?1年のうちでは春から初秋にかけて強い。4月〜9月に1年間のおおよそ70〜80%を占めます。

?1日のうちでは正午をはさむ数時間が強い。夏の午前10時〜午後2時に1日のおよそ70%を占めます。冬の同じ時間帯では、1日の照射量の80〜85%を占めます。これらのことは、私たちの生活にとって非常に重要なことです。住む場所は別として、季節や時刻を考えて屋外での活動を行えば、紫外線へのばく露を大幅に少なくすることが可能になります。実際にどの程度紫外線を浴びるかは、一人ひとりの行動によって異なります。同じ地域でも、季節や一人ひとりの生活スタイル、特に日中の屋外活動時間によって、紫外線ばく露量は大きく異なっていることが分かっています。また、私たちが浴びる紫外線は、直接太陽から届くもの(直達光)だけでなく、空気中で散乱して届くもの(散乱光)、さらに、地面等で反射して届くもの(反射光)があります。

季節や時間帯以外にも、紫外線量に影響を与えているものがあります。それは、オゾン層です。オゾンは、地上付近から50Km以上の高さにまで広く分布しており(オゾン層)、このオゾンが紫外線をさえぎって、地球上の生命を守っています。紫外線(特にUV-B)強度は、太陽高度角、天気、オゾン全量、大気の汚れの程度などに応じて変化しますが、他の条件が同じ場合、オゾン層の厚さが1%減ると、地上紫外線強度は約1.5%増えるといわれています。オゾン層は、「厚さ3ミリメートルの宇宙服」に例えられることがあります。上空に分布するオゾンを集めて地上と同じ1気圧に圧縮すると約3ミリメートルの厚さになるという意味です。(この厚さをオゾン全量と呼びます。)実際には、オゾンはその90%が地上から約10〜50Km上空の成層圏と呼ばれる領域に集まっているため、その領域は「成層圏オゾン層」とも呼ばれています。

私たちを紫外線から守ってくれているオゾンを破壊する物質があります。それは、フロンです。フロンは、塩素と炭素、フッ素でできた化合物の総称で、変質しない、燃えない、毒性がない、しかも人の生活に役立つという性質があり、スプレーの噴射剤、エアコンや冷蔵庫などの冷媒、断熱材の発砲、半導体の洗浄など、幅広く使われてきました。ところがフロンは、地上付近の空気中では壊れず、そのまま成層圏まで上昇し、そこで紫外線(UV-C)を浴びて壊れます。その際フロンは、塩素原子を放出しますが、これが連鎖反応的にオゾンを破壊することが分かりました。1個の塩素原子は、多い時には数万個ものオゾンを破壊するといわれています。このような事実から、先進国では1996年から主要なオゾン層破壊物質(フロンなど)の生産が禁止されています。その結果、成層圏中の塩素量の合計は今世紀の中頃までに1980年以前のレベルに戻ると予想されています。